いかに日常業務で並列処理を実現するか
序章でも述べたように、ジャパンバッシングの時代にあって労働時間を短縮することは急務となっている。
就労時間を短縮してなおかつ業務実績を落とさない方法は、生産現場では積極的なコンピュータとロボットの導入である。
ところが、こういった最先端の技術の導入によって、生産量が上がっても、それを管理する立場にある生身の人間の能力が従来のままでは、そこに必ず様々な《あつれき》が生じることになる。
すでに発生している問題が、OA機器を扱う現場で発生しているテクノストレス症候群である。
これも、速読法を起点とした能力開発法で治療し、予防することができる。
テクノストレス症候群の第一の原囚は、まずなんといっても、コンピュータの送り出す情報のスピードが、性能のアップに伴って速くなり、したがって単位時間あたりの惜報量が、どんどん増えてきたことである。
しかしこれは、たとえばデータ通信に限っていうと、数字的には今のところ、日本人の平均読書能力の三倍から、上限で十倍の範囲内に納まっている。
三倍の速読法ならば本書だけで修得できるし、十倍の速読法でも、我々の研究室に受講にきていただけば、まず九十九パーセント確実に修得できるから、テクノストレス症候群は《恐るるに足らず》である。
次に問題になるのが、マルチビジョンの導入に伴う、新たなテクノストレス症候群の発生である。マルチビジョンでは、大画面がいくつにも仕切られて、そのそれぞれに、別個の情報が送られてくる仕組みになる。
否応なしに日常業務の中で情報の並列処理の能力が要求される事態になるわけで、それができるとかできないとかいっている段階ではない。
それに対するトレーニングが、ジョイント速読法を一つの道具として使う多分野学習法であり立体多分野学習法である。
多分野学習法とは?
ジョイント速読法の修得によって読書能力が十倍にまで伸びたとすると。以前は一時間を要していた読書なり勉強なりが、わずか六分でこなせるようになる。
これは、これまで何度も述べてきたように、それほど難しい数字ではない。
さて、これが、百倍、千倍と上達していっても、その残った六分をどこまでゼロに近く短縮するかの問題になって、SFのようにマイナスの時間を生じさせる(過去の青春時代に戻る)ような器用な芸当は、けっしてできない。
速読法が趣味になって、百倍、千倍と速読能力を向上させていくことに生きがいを感じている人も中にはいるが、要するにそれは、円周率を何ケタまで暗記できるかに挑戦するのと同次元の趣味で、それほど社会に還元できるような有用性があるとは思われない。
速読能力が十倍から二十倍程度に上達したら、その程度で満足して留めておき、方向をもっと有用性のある学習に向ける、その第一段階が、《多分野学習法》である。
ジョイント速読法を学んでいない状態では、中身の濃い研究なり、勉強なりをしようと思えば、どうしても一つの科目や分野に一時間とか、二時間をかける必要があった。
ところが速読法を学んで読書能力が十倍、二十倍になれば、単に読むだけで学習できるような性質のものは、これまで一科目、一分野しか勉強できなかった同じ時間で、十分野も二十分野も勉強することができるようになる。
その各科目、各分野の切り替えを上手に行い、次から次へと勉強科目・分野を移していっても内容が散漫にならず、一時間の勉強時間で、十時間、二十時問勉強したのと同じ成果を残す、という訓練が、多分野学習法である。
これが受験生などに非常な有用性があることは、だれにでも想像がつくと思うが、しかし方式としては、直列形式の情報処理であるから、並列形式のマルチビジョンがもたらすであろうテクノストレス症候群には、対処することができない。
《立体多分野学習法》は、そういった事態を想定した、多分野学習法の上位にくる学習法である。
多分野学習法の場合は、多分野といっても一度にやる科目ないし分野は一つで、短時間ずつ直列的に各科目をつなげていくだけであるから、速読法を完全に修得すればどうにかできそうだな、ということは、読者諸氏にも理解していただけるだろうと思う。
これに対して立体多分野学習法は、一度に数科目、数分野を並列的、立体的に同時並行で学ぶという、超画期的な学習方式である。
だれでも聖徳太子以上のウルトラマルチ人間になれる!
その訓練のさわりをご紹介すると、たとえばテレビを縦横四台ずつ並べると、十六台である。
そのそれぞれをビデオデッキと接続して全部が違った映像を流すようにし、その全部を同時にみて内容をわかるようにする、というような訓練を考えていただきたい。
「とんでもない! そんな器用な芸当が、凡人にやれるわけがない!」と思われるだろうが、速読法を手がかり、足がかりとすれば、それがたいした無理もなしに可能になる。
スポーツで上達してくると、自分の全身の動きをチェックしながら相手の選手の動き、それも複数の選手の動きを観察できるようになるが、情報処理でも同じようにできる、ということである。とにかく、これらの超画期的な学習法が、スポーツでいえば実戦訓練で、速読法はその予備段階の、スポーツならばフォーム固めの《素振り》に相当する訓練である。
フォーム固めの素振りが難しくて、修得できる人もいればできない人もいる、というのではお話にならない。だから、速読法はだれでも修得できる、能力開発ではごく初歩の初歩のテクニックである、と何度も機会あるごとに申し上げているわけである。
人生は有限で、医学・薬学などの飛躍的な進歩を期待しても、そうそう一気に十倍にも二十倍にも平均寿命を増幅できるとは、ちょっと考えにくい。
が、潜在能力を活性化し、情報を並列処理することができるようにすれば、人生の密度が濃くなることによって、実質的に一気に何十倍、何百倍にも増幅することができる。
これまでは、みようとしてもSFの世界でしかみられなかった《超人類の夢》が、あるいは、この立体多分野学習法によって現実化への第一歩を踏み出すかもしれない、と我々は自負している。
新日本速読研究会の今後を期待とともに兒守り、応援していただければ幸いである。
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