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月刊誌れいろう 速読法で脳力をアップしよう 1994年4月

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1994年4月号のニューモラル情報誌”れいろう”から特集で速読法で脳力をアップしよう が新日本速読研究会の川村明宏会長が監修で発売されました。

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脳は並列処理の得意なコンピューター 人問、おそらく誰しも「頭がよくなりたい」と心中で願わない者はいないでしょう。また「もっと知識・教養を身につけたい」と願わない者もいないでしょう。このどちらも、人生にとってマイナスになることはほとんどなく、むしろ、この二点で社会的に評価されることが、ひじょうに多いからです。
では、一石二鳥で、この二つの願望を同時に叶える方法は、ないものでしょうか? あります。それが速読法なのです。速読法をマスターし、多くの教科書、
自分の仕事に密接な関係のある分野の専門書を次々に読破していって知識を増やします。そうするといつの間にやら脳力もアップして。頭がよくなっている……そういう理想的な状態を作り出すのが、ここで紹介するジョイント方式の速読法です。

しかし、あくまでも速読法とは「本や書類を、速く読んで内容を理解する」技術を教えるもので。記憶術とは異なりますから、いきなり記憶力がボーンとよくなったり、脳力が飛躍的に上がる、というようなことはありません。あくまでも徐々に段階的に結果としてついてくるといった感じで伸びていくのです。
それから、速読法をマスターしたからといって、これまで理解できなかった本が一変してスラスラ理解できるようになるとか、そういう奇跡的なことも起きません。速読法は、決してマジックではないのです。
これまで理解できた本が、例えばそれまで読破に3時間を要していた分量が一時間なり30分なりで読めるようになるのが速読法で、読み終えた本の内容については、速読法マスター以前から記憶力の優秀な人ならよく覚えているし、そうでない人はそれほどでもないでしょう。最初はその程度に考えてください。
要するに速読法は、スタートしか時点では同じ理解度、把握力で、ただ読書に要する時間が何分の1かに短縮されるにすぎないのですがいつの間にやら脳力が開花されてきます。
その理由ですが、あなたは「人間の脳は、ひじょうに優秀な生きたコンピュータだ」ということを聞いたことがあると思います。しかし人間は。その脳のコンピュータ的な性質を生かしているときと、全く生かしていないときとに分かれます。
まず前者の場合ですがあなたが家で、ひじょうに日常的で単純な家事をやっていると仮定しましょう。
そういう状況ですと、あなたは家事を続けながら、家族同しの会話、テレビから流れてくる声、家の外の音などを楽に聞き取ることができます。
つまり、あなたは家事をする、家の内外の音を聞く、という複数の作業を、同時並行でやっていることになります。そして、これらの情報の処理と命令はすべて脳が行なっています。同時にたくさんの作業を並列に行なうことができますから、「大脳は並列処理の得意なコンピュータだ」といわれるのですが、これが普通の人の場合、本を読むというような知的作業のときには実行できません。
あなたは読書しながら、何か全く他の問題について考えることができますか? 考えれば、本の内容が理解できなくなる人が大半のはずです。あるいは、同時に二つ以上の異質な問題について考えられますか?
このように知的作業においては、並列処理がひじょうに困難になります。
それは、必要以上に緊張し、肩肘を張った状態を作り出しているからで、この緊張を除去してやれば、それだけで人問の脳力は大幅にアップします。速読法は、そのためのトレーニングでもあるのです。
ここでちょっと、人間は知的作業時には異常緊張状態に陥るということの証明をやってみましょう。左に何の意味もない黒丸がズラリと並んでいます。あなた
は上の端の黒丸を見て、そこに視点を固定した状態で下の端の黒丸を見ることかできるでしょうか?
たいていの人は見ることができるはずです。それでは今度は活字の部分に視線を移して、活字を黒丸だと思って同じことをやってください。あなたは上の端の文字を見て、そこに視点を固定したままの状態で、下の端の文字が何か、見分けることができるでしょうか?見える人はほとんどいないはずです。
それでは、ぐんと易しく、たった1行だけを見ることにし行の中央の文字を見て、そこに視点を固定したままの状態で、 2ページ目は知的作業時には緊張すると言うタイトルで上下の端の文字を識別することができるでしょうか?
これでも大多数の人は視点の固定位置からせいぜい5~7文字ぐらいしか識別できないでしょう。
無怠味な黒丸なら広範囲が見渡せるのに、意味をもつ文字が対象だとひじょうに狭い範囲しか識別できません。これが異常緊張が引き起こした《条件反射》の一種で、こ条件反射が、せっかく並列機能を備えた人間の脳を「宝の持ち腐れ]状態に陥れているのです。
さて、どこでこの厄介な条件反射が始まったかというと音読の習慣なのです。あなたは読書するとき、日の中でボソボソと声に出しながら、あるいは頭の中
で音声に置換しながら読んでいませんか? そういう人が大半のはずで、こういう読み方をしますと、人間の声帯は一度に2つ以上の音を発せない管楽器的構造
にないていますから、音読となると欠字を端から1つずつ順番に(直列的に)読んでいくことになります。
この習慣が染みついてしまうと、その時点で意味を読み取っている対象以外の文字は、見ても意味がないわけですから、視野に入っていても見ないように「意識力視野」から除外してしまう粂件反射を起こします。
4ページ目は、 読書量の測定について実際に確認できるように説明しています。
5ページ目は、 注意事項、細かい計測のやり方を説明してます。
6・7・8ページ目は、 二点以外読まず訓練について説明しています。
9ページ以降はブロック読みについて説明しています。

 

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