声帯を動かすという音読の弊害を捨てさせるためには、高速で文字を追うことが必要
文字を読む場合、ひとつひとつ声に出していく「音読」と声に出さずに読んでいく「黙読」という２つの方法がある。
小学校低学年では、教科書を読んだりするときに、音読をする機会が多く、それによって読書速度も遅くなっている。
高学年になると、黙読の機会が多くなるが、小さい頃から接してきた音読の習慣からなかなか抜け出せず、この音読の習慣が強く残っている人ほど、読書速度が伸びない。
音読は、速読にとって弊害であるとも言える。
大人になるにつれ、音読の機会は少なくなってくるが、読書速度が遅い人は、文章を読むとき、多少なりとも、「擬似音読」をしている。
擬似音読とは、実際に声に出さなくとも、心の中で１文字ずし、確認しながら読み進めるという読み方である。
この擬似音読は、詩書のスピードにブレーキをかけてしまい、その速度を非常に遅くしてしまう。
このほかにも、簡単な言葉や文章には吉帯を動かさずに見るだけで通過するが、難解な言葉に出合うと声帯を動かし、確認しながら読むという擬似音読のパターンもあるが、圧倒的に前者の１字ずつ確認しながら読み進むパターンが多い。
読書速度をあげるためには、こういった音読の習慣をなくしていくことが必蓐となってくる。
そのための訓練が「２点読み」である。
やり方としては画像の文章の左右にある■だけを素早く目で追っていく。
そのとき、中にある文章は読んではいけない（自然に目に入ってくるものはかまわない）。
これをウォーミングアップとして繰り返す。
最も単純で基本的な訓練であり、人によってはこれだけで速読能力が数倍にあがる場合もある。
その理由としては、次のようなことがあげられる。
人の脳は必要に迫られるとスピードに順応していき、自分自身を加速させるという機能を持つ。
高速で文字を追う訓練をすることでその速度に慣れ、ひとつひとつの文字を速く読み取ることができる。
またこれまでの音読の癖で、知らず知らずのうちに動かしていた声帯が、その速さについていくことができなくなる、つまり声帯を動かせない速さで文章を見ることで、つい声帯を動かしてしまう擬似音読の癖から抜け出せるのだ。
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